最近、水耕栽培(スプラウトとか簡単なやつね)にちょっと興味があって試しにやってみよう思ったわけです。市販の水耕栽培キットだと割とサイズが大きかったりして希望のものがないのと、せっかくだからデータを取りたかったというのもあり、自作することにしました。
で、どうせ作るなら卓上におけてちょっとかわいい奴がいいなと。市販品だと、どうしても無機質なものだったり、スタイリッシュな感じなものばかりなので、そうじゃないやつを作ろうと思ったわけです。
で完成したのがコチラ。
クリスマス装飾バージョン。
こんな感じで季節の装飾ができます。
主な部品
・Raspberry Pi Zero W (Rasbian stretch)
・SG92Rマイクロサーボ(連続回転改造済み)
・16チャンネルPWM/サーボドライバー
・温湿度センサー DHT11
・10bit 8ch ADコンバータ MCP3008-I/P
・NTCサーミスタ 10kΩ
・放熱板付き1W白色パワーLED
システム構成
ざっくりしたシステム構成は下図の通りです。※かなり適当ですが
・電源
電源には5V max2.0Aを使用しました。電源からは、ZeroWとサーボモータ&LEDとニクロム線ヒーターにそれぞれ電源供給しています。
消費電流は、
・Raspberry Pi Zero W typ:0.2〜0.3A
・サーボモータ&LED typ:0.4A
・ニクロム線ヒーター type:0.6A
ほどです。念の為、ヒーターには1A、それい以外で2Aのリセッタブルヒューズを入れています。
・IBM IoT Platformとの連携
Zero WのWifiを使って、IBM IoT Platformと連携をしています。
IBM Watson IoT Platform
このサービスは、IoTデバイスからのデータを受け取り、分析したり他のサービスとの連携を簡単に行うことができるようです。
なんと言っても、無料コース(10日間非アクティブが続くと削除される)があるということで、今回は試しに使ってみることにしました。
IoT Platformで受けとたデータを、nord-REDでデータベースやスマホ、Twitterなどの他のデバイス、サービスにつなげています。
これによって、
・スマホを振ると水耕栽培装置のLEDが点灯する
・水温、気温などのセンサー値をTwitterで定期的につぶやく
などを簡単に実装することができます。
ニクロム線ヒーター
ニクロム線を使ったヒーターです。
発熱する部品なので、電流計などを使って発熱量を計算しながら安全な設計を行って下さい。
ニクロム線を指で触って温かさを感じるぐらいの電流が流れるように、ニクロム線の長さ(=抵抗値)を調整します。
今回は、ニクロム線に0.6A程の電流が流れるようにしています。
ON/OFF制御は、手持ちのMOSFETで行うことにしました。MOSFETのゲートとラズパイのGPIOを接続し、ON/OFF制御を行います。
!注意! 組み付ける場合は、絶対ニクロム線がショートしないようにして下さい。また、ヒューズなどの保安部品を追加して下さい。
自作水センサー
自作の水センサーを作ります。
仕組みはこれと同じです。
PAD1とPAD2間が水に浸り、電流が流れるとCOM端子の電圧が下がるという動きになります。この方式は、とても簡単に実装できますが、PAD間に直接電圧をかけることになるので、水の電気分解が発生してしまうというデメリットもあります。
COM端子をそのままGPIOに繋ごうと思ったのですが、実際やってみるとラズパイが完全にOFFと認識する電圧まで下がらなかったので、ADコンバータICを介して、電圧値で判定するようにしました。
チューブポンプ
次に、灌水するためのポンプを作ります。
これは、下記動画を参考にさせて頂きました。すごい!
これを作るには、まずマイクロサーボを連続回転するように改造する必要があります。
※サーボ改造の代わりに、ステッピングモーターなど連続回転するモーターを使っても、もちろん問題ありません
作り方は、下記で紹介されていました。
小型サーボを連続回転させるハック
滴了庵日録:ラジコンサーボの連続回転化
※ポジションメータの固定方法は、同じ抵抗値の抵抗を使う場合と、ポジションメータの軸自体を接着剤で固定してしまう方法と2種類あります。
※今回は、サーボケースに入るような小さな抵抗(1/4W)の手持ちがなかったため、接着剤で固定する方法を選びました。なるべくポジションが中心になる位置で固定する必要があり、若干めんどくさいです。
改造するとこんな感じで連続回転するようになります。
https://twitter.com/ike_jpn/status/924831551107371008
あとがき
取り敢えず一通りの機能は完成。今年のMashupAwardsに応募しました。
水位センサはもうちょっとちゃんと設計しないと直ぐにダメになりそう。
あと、今回始めてIBMのクラウド使ってみたけど、デバイス同士をホント簡単に繋ぐことができてかなり便利かも。なんせ無料だし!
小池さん
はじめまして。ビスです。
この自作機すごく面白くてちょっと遊んでみたいと思います。参考になるようなのコードや図面をシェアしていただくことは可能ですか。
ビスさん
返信遅くなってすいません.
この水耕栽培装置ですが,ロジック部はIBMクラウドのNord-RED上で全て実装しております.
ラズパイZeroからは,下記サービスとライブラリを使ってデータをアップロードしているだけになります.
https://www.ibm.com/internet-of-things/jp-ja/iot-solutions/watson-iot-platform/
https://github.com/ibm-watson-iot/iot-python
ハードウェア部分の図面は,作ってないです...
以上,参考になれば幸いです.