今回はチラシの裏的な内容ですが「設計」について少し考えさせられ面白かったのでご紹介します。
PCでゲームをする時に『ELECOMアーケードスティック』を使用しているのですが…これがすごく斜め入力が難しい(/_;)
まぁ、個人的な感想なわけですが、Amazonのレビューなどを見てみると割と同じ感想をもっている人が多いようです。
Amazonレビュー「ELECOMアーケードスティックUSB接続2軸10ボタン」
“斜めのレバー入力入らなすぎ” “少しスティックを大きく動かさないと入力を受けつけない様です。” “まず、スティックの斜め入力がスムーズにできないのが致命的。” “ELECOM製品故の特徴か買い換えたにも関わらず僅か半年でブルーバックが発生。”
長いこと使用していますが、使用感については同じ感想です。
加えて半年でブルーバックが発生というところまで同じで、ジャンクから基板だけ持ってきて取り替えてます。
基板を取り替えるために分解した時気づきましたが、割と手はんだされているところが多く…しかもあまりうまくない(イモはんだだらけ)という点はちょっとがっかりでした。
スティックの構造
他から基板を移植して見た目がオリジナルのそれとはちょっと違っていますが、スティック部分の構造は変更していません。
スイッチが四方に配置されているだけという一般的な作りになっています。
ちなみに、スイッチはオムロン製。
まずは、部品の形状を測定して図面に起こしてみました。
スティックとスイッチ部分だけを図にしています。
スイッチ部分は幅3mm(図に記載し忘れた)高さ2mmで、1mm以上押されるとONになる模様。
スティックの可動域は、中心の3mm四方になります。
そして、それぞれのスイッチの高さが1mmになるスティックの中心位置を線で結ぶと、各々のスイッチがONとなる領域が解ります。
これ。
青色の領域が上下の入力を受け付ける領域。
黄色の領域が左右の入力を受け付ける領域。
緑色の領域が斜め入力を受け付ける領域。
となります。
こうしてみると、斜め入力を受け付ける領域が小さいことが解ります。
さらに、波動拳コマンドなどスティックを円状に操作した際、斜め入力の領域から外れてしまいます。
私の波動拳がでない理由が図面を書くことではっきりしました\(^o^)/
改善策
斜め入力を改善する方法としては、下記の方法が考えられます。
スティックの軸を太くする
軸を太くすればスイッチONと判定する領域が中心に向かって拡大するので改善できます。
ゴムホースを切って被せる等の簡単な加工でできそうです。
デメリットとしては、遊びが少なくなることでしょうか。
スイッチの幅を広くする
現状3mmのスイッチ幅をもっと広くすれば斜め入力の範囲が拡大するので改善できます。
スイッチ部品を取り替えることで出来そうです。
この方法なら遊びが少なくなることはないでしょうが、使えるスイッチを探すのが大変そうです。
業務用を調べてみる
業務用で使用されているらしいセイミツ製のスティックをGoogleで検索すると下記のような構造になっているようです。
確かにこちらの方が斜め入力がしやすい様に思います。
(上記の「スイッチ幅を広くする」と同じ理屈)
あとがき
「斜め入力入んないな」「どうなってんだよ」というところから、「じゃぁ、調べてみるか」ということで調べてみたわけですが、仕組みが分かると対策も出来るというもの。
また、他の製品と比較してみることで設計の意図などが見えてくるのでおもしろいなと。